レジエント帝国とは新世界歴108年から1324年まで存在していた国家で、全盛期には世界のおよそ2/3を支配下に置く大帝国であった。

レジエント帝国の成立当時、終魔戦争から100年が経過し人間主導のネザール皇国がレベット地方一帯を支配していた。しかし魔族の人口も回復しつつあり、その勢力も拡大しつつありこのままでは昔のように魔力を持たない人間が奴隷のように使役される時代に戻ってしまうと危惧され、実際には皇国の要職は魔族が独占しつつあり、このままでは魔族主導の国家に置き換えられるのも時間の問題であった。

新世界歴108年に魔族の殲滅を掲げて建国したのがレジエント帝国であり、魔法を持たない人間の支持もあり勢力を拡大しつつあった。

203年にはネザール皇国を滅亡し、242年には終魔戦争の原因ともなったスタファイム魔法王国を滅亡させる。

その後も当時は小国が乱立するレベット地方を統一し世界中から魔族を絶滅することを目的に周辺諸国を制圧し続けた。

770年には大陸南東部に位置するザメラ地方を制圧してレベット地方を統一する。この際にザメラ地方にいたマーベ族の半分は巨大な船を作り、大洋を渡って現在のナーザダリに漂着してマーベチック王国を建国したと言われている。

その後も精力を西へと拡大しゴルモア大陸全域とルーレット大陸北東部を制圧して781年に全盛期を迎えるものの、781年に更に西域へと拡大する過程でルーレット王国とゾルドにて初の衝突をして敗北する。これがレジエント帝国にとって最初の対外戦争の敗北であった。

814年にリフィールの戦いがダラスにて発生し、ルーレット大陸における領土を喪失して衰退期に入る。

ルーレット大陸における領土の喪失を契機として統治体制の大幅な見直しが行われ、820年に西のゴルモア地方を統治する西レジエント帝国、東のレベット地方を統一する東レジエント帝国に分裂したものの、両国は引き続きレジエント帝国を自称し続けた。

その後は安定した時代が続くものの、12世紀末に両帝国同時に危機が訪れる。1183年に西帝国内にて反体制派のゴルモア帝国が建国し、東帝国でも1213年にレベット連合が産まれそれぞれ帝国に対して反旗を翻した。

両帝国とも戦争は100年以上の長きに渡ったものの西帝国は1301年に滅亡し、東帝国も孤島であるウィール島に逃げ込んだものの1324年のウィール侵攻により滅亡してしまう。

これにより1216年に渡るレジエント帝国の歴史に幕が下りたのであった。